和歌山工業高校産業デザイン学科×和歌山県室内装飾事業協同組合青年部

去る2018.9月、2週に渡って和歌山工業高校産業デザイン学科を訪れました。今回で3回目となるこの授業はものづくりの楽しさや実際に現場で行う施工技術を知ってもらう目的で和歌山県職業能力開発協会の後援の元、毎年開催しています。

初年度、2年目は床に施工する長尺シート、塩ビタイルを使ってベニヤ一枚分のカッティングマットを制作し、作業台のデスクマットとして利用してもらう試みを行いました。但し、ただ単純にベニヤ板に糊を塗って貼るだけでなく、長方形の形の中でグラフィック的な要素を踏まえて生徒自らデザインをしてもらいました。

3年目となる本年は立体造形に挑戦し、椅子ともスツールとも思えるような直方体の箱を制作し、この箱にタイルカーペットを貼って仕上げることに挑戦しました。例年同様直方体の箱をどう配色し、構図を決めるかを検討しそれらに基づいて実践してもらいました。今回は直線を使ったデザインと面で色を変えるものと二つの箱を作ってもらいました。実に個性豊かな素晴らしい箱がたくさん生まれて教室内が華やかになりました。

3年連続で一貫しているのはデザインを考えてもらい、それを実践として制作するということです。主に、配色と構図を考えてある特定のデザインルールを設けてその中でデザインを考え製図し、それを元に施工するという流れです。その為に、1週目ではグラフィックデザインの基礎的な講義を開催し、実物のサンプルに触れながらデザインを確定してもらいます。プロの講師を招聘する年もありました。これらのデザインをイラストレーター(グラフィックソフト)を使って製図するようなことに挑戦した年もあります。これらのデザインを考え、翌週は実際に施工に移ります。毎年ながら出来上がった時の生徒のみなさんの達成感や興味に満ちた空間にやり甲斐を強く感じています。

組合青年部では毎年違う題材に対して数回訓練や実践も行い何度も議論します。これらを通して日頃抱えている悩みや不安なことも分かちあうことができ、青年部同士の結束も高まり非常にいい機会であると思います。